アブ・シンベル神殿

2007-01-02 記載
トピックエジプト

アブ・シンベル神殿

朝3時に起こしてもらい、アブシンベル行きの用意をする。
荷物をまとめ、ロビーへ。
先日の担当者が姿を現し、更に30分ほど待たされた後、出発をする。


車は、小さなミニバンだった。17人くらい乗れるだろうか。
その中に、押し込まれた。 はっきり言って、狭い。

どうやら、後ほど判明したのだが、このUS68ドルのツアーは安い部類らしく、60ユーロ出すと中くらいのバス、80だか90ユーロ出すと大型バスになるらしい。

更に、中型バスと大型バスの場合はガイド付らしい。なるほど。私は安いツアーに参加してしまったのだと思う。おかげで足元が狭くて、ぎゅうぎゅう詰めといった感じだ。

とりあえず行ける事になっただけでも良いのではあるが。


ホテルを出発し、少し走ったところで一度集合、その後、45台ほどのコンボイになってミニバン、中型バス、大型バスと一緒になって一気にアブシンベルを目指す。

この、多数の車が一気に走ってゆくのを横目で見れるのは、なかなかない経験で楽しいものだ。

一気に突進してゆく車の群れ。

300kmほどアスワンから離れているが、そこまでは高速道路のような良い道がずっと続いているため、ほぼノンストップで一気に駆け抜ける。

そのおかげで、わずか2時間半で付いてしまう。

だから、飛ばす飛ばす。


最初は私の乗った車はあまり飛ばしていなかったのだが、日が出て明るくなると同時に一気に飛ばし始めた。作戦なのか何なのか、かなり早いほうに付いた。

その頃には、足元が窮屈でかなりきつく、降りたときには筋肉痛も相まって、少しフラフラになる私。

でも、遠くにアブシンベルの後姿らしきものが見えると、いよいよ来たのだと感じる。

このアブシンベルは、アスワン・ハイ・ダムが出来るときに湖の底に沈むはずだったものをここに移設したのだとか。

だから、後ろは張りぼてのようになっており、表に石像と洞窟がセットでそれぞれ2つが再現されている。

最初、後ろから近づいたとき、こりゃやばいところに来てしまったな・・・ と少しテンションが下がり、入場料の80ボンドに ボッタクリ を感じたが、表に出て大きな石像を見た瞬間、その思いもどこかへ吹っ飛んでしまった。

こりゃ凄い。

来たかいはある。

費用対効果は不明だが、遺跡は感動すること間違いなし。

ロマンを掻き立てるこの遺跡!

ツアー料金は少し高いが、まあ、良いかなとも思ってしまう。


敷地のスケール的には少し狭いが、それでも、この迫力には圧倒される。

洞窟の中の壁画。


太陽神ラー かな?

壁画がきちんと残っている。

アブシンベルは2時間の見物時間があるが、これまた微妙に設定されていて、ちょうど十分な時間だ。

私が入ったときはまだ混んでいなかったが、暫くすると続々と人が訪れ、遺跡の中は人だらけになってしまった・・・・。

上の壁画も、もう少し遅い時間だと人ごみで写真どころではなかった。
早い時間に着いたからこそ撮れた写真だ。

暫くすると、空から次々と飛行機が舞い降り、飛行機に荷物を置いたまま2時間の見物をするのが定番のようだ。その人たちも次々と訪れる。

私がアスワンから来るまでのツアーにしたのは、ある意味正解だったかもしれない。 この混雑に巻き込まれる前のアブシンベルを見れたのだから。

周囲に広がっているナセル湖。

そして、見終わった後は、定番のお土産や攻撃が待っている。特に買う物もないので攻撃をかわし、車へと戻る。

そして、再度コンボイになってアスワンへと帰ってゆく。

これまた飛ばす飛ばす。


行きもそうであったが、相互に1車線づつしかないのに対向車がほとんどいない。それをいいことに、2車線丸々使って飛ばしまくる。

カーブは中央を走るのが当たり前。

でも、それがエジプト風であると感じる。


帰る前の時間があるときに、車の運転手に他のバスのツアーの値段を聞いたのだが、何故か、運転手も助手席の人もテンションが低かった。

恐らく、こき使われているのだろう。

2時間しか寝ていないといっていた。
毎日アスワンからアブシンベルまで走っているとのこと。
朝と夕方と、2回に分けて人を運ぶのだという。

聞き間違いでなければ、朝来て、夜も来て、2時間寝て、といったことを延々と繰り返していることになる。 こき使われているな・・・。と思う。

アスワンの川向こうの高台

アブシンベルからアスワンに戻り、ホテルへ到着する。

置いてあった荷物を取り、チェックアウト。
チェックアウト時間を遅らせてもらったはずなのに、伝言がうまくいっていなかったらしく、荷物が危ないところだった。 ミドルクラスのホテルだと思っていましたが、このクラスのホテルは気をつけなくては。

そして、夕方の電車まで時間があるので、川の向こうの墓めぐりをすることに。


ボートで川を渡るのだが、近づくと、またもやボート勧誘の親父が近づいてきた。

聞くと、50ボンドだという。高すぎ。 無視して本を見て、フェリー乗り場を見つけたのでそこに近づくと、いよいよ10ボンドまで下がった。(苦笑) 1時間の滞在で、だ。

ですが、フェリーの方が安いに決まっているのでフェリーに行ってみると、往復料金で5ボンドらしい。 時間は特になく、何度も往復しているのでどれかに乗ればいいようだ。 これで行くことにする。

だが、周囲を見渡してみると、乗っているのは現地人だけで、観光客がほとんどいない。 私だけ?(苦笑)

きっと、大抵はチャーターしたボートで行くのだろう。

でも、これでも全く問題がない。

向こう岸に渡り、まず、帰りの料金を払う必要があるか、ちょっと観察してみた。 払うときに往復料金といっていても、帰りで再度払わされることがあるからだ。 すると、どうやら、払っている人と払わずに通り抜けている人がいる。 これは、帰りは問題ないのだな、と判断。 帰りにはそのまま通り抜けることにする。

そして、川近くの広場にはラクダ商人が沢山いた。 私は乗る気がないので、歩いて近くの遺跡に足を向ける。

ここの入場料は本来は25ボンドであったのだが、あまり客が来ないらしく、なにやら分からない言葉を言われて、お釣りが多い? と思ったらスチューデント価格になっていて、どうやらそれは、その差額の5ボンドをバクシーシしてくれ、ということだったらしい。(苦笑)

ちょっとせこいが、そこまでしないと生活も苦しいのだろう。

中は、ただのぼやけた瓦礫の遺跡で、あまり面白みはない。

むしろ、その丘に登って見える、アスワンの眺めの方が素晴らしい。

後ろを見ると、アスワンの全貌が見渡せる。

これはいい眺めだ。

この場所には外国人がほとんどいなく、ほとんどが現地の人のようだ。どうやら、川のこちら側(駅とは反対側)に住んでいる人たちの遊び場になっているようだ。 名ので、子供たちの姿も多数見かける。

眺めを楽しんだ後、丘を下り、ボートで元のところへ戻る。

先ほど観察しておいたので、悩まずに素通りする。
指を刺して、ニュアンスで「アレに乗る」とだけ示した。
料金のおじさんから呼び止められることもない。

きっと、どうすればいいのか? 見たいな態度をとっていたならば、きっちりと再度料金を請求されただろう。

当たり前の如く通り抜けたのが良かったのだと思う。(多分)

そして、駅の側へと戻ってきた。

まだ時間があったので、一度駅に言ってみたり、近くでインターネットカフェに行ってみたりして時間をつぶす。


そして、電車に乗り込んでルクソールに向かった。

電車は席の番号が微妙に良く分からず、何故か「5号車」が2つあって、片方は算用数字の5、もう片方はアラビア文字の5が書いてあった。

アラビア数字のほうに乗ったのだが、どうも様子がおかしかった。

周りは現地人だらけ。 荷物も酷い置き方で、足元にはごみが散乱しているが掃除の人が来た痕跡もない。

何だこれは・・・ と思って暫く乗っていたが、2駅ほどいったところで、同じ席だという人が現れ、どうやら私は違う車両に乗っていたことが判明。隣の車両に移ることになった。

そして、移ってみると、そこは外国人だらけ・・・。


先ほどのはなんだったんだ・・・。 エジプトの現地人の生活は、こんなにも適当で酷いのか・・・ と思えた瞬間だった。

更には、こっちの車両だと案内してくれた人が、最後に「ソーリー」といっていたのが、全くわけが分からなかった。 間違っていたのは私なのに。 私は何か言われたのか? よく分からない。 外国人だと特別扱いされるのか? 私は何かされたのか? 解読不可能な一言だった。

そして、その電車に乗り、アスワンから3時間。ルクソールに着いた。


だが、ルクソールのホームにはどこにもルクソールと書いていない。
到着時間を知っていたことと、他の多くの人が下りたことと、隣の人がエジプトの大学に行っている人で、ルクソールだと教えてくれたから迷わず降りることが出来たが、なかなか微妙なシステムだ。
これでいて観光立国が成り立っているのだから不思議だ。


そうして、いよいよルクソールへ。

ルクソールの町は、少なくとも駅前はアスワンよりも整備されていなかった。 こんなものかな、と思い、とりあえずどこか宿を探そうと思った。

駅前の客引きを無視し、街中へ。

すると、少し歩いたところで宿は決めたかと話しかけてくる人がいる。
私の視線が宿を向いていたのをかぎつけたのだろう。

聞くと、10ドルの宿があるという。 ちと高い。
では他の宿はというと、38ボンドの宿があるという。
個室のホットシャワー、朝食がついているという。

まあ、それでも良いかと思い、見せてもらうことに。

見ると、割とまあまあ。

先日の65ボンドの宿とそん色ない。
フロントは先日の宿の方が良かったが、設備的にはさほど差がない。

ここに決め、料金を支払う。

案の定、ツアーの案内も続けてされた。

どうやら、英語のガイド付きで朝8時から2時半まで、入場料も混みで375ボンドらしい。私が渋っていると345ボンドまで下がった。更には、それには自転車のレンタル費用もつけるという。

王家の谷の入場料が80ボンド、そのほか2箇所がそれぞれ30ボンド、無料のところが1箇所と行く予定で、ガイドとシャトルで約200ボンド払うことになる。 さて、この料金をどう判断するかだが、レンタル自転車が1日で20ボンド前後とすると、180ボンドがツアー料金になる。 この値段は、カイロでピラミッドやスフィンクス、ダシュラまで行くのとほぼ同額。そのツアーもまた、8時から2時前後までであった。 となると、このあたりが大体の相場であろうと判断し、このツアーをオーダーする。

料金を支払うと、商売根性たくましく、気球に乗って王家の谷を空から見ないかといってきた。(苦笑)

ガイドブックにはUS150ドルからUS200ドルと書いてあるツアーが、特別にUS100ドルだという。 そりゃ、下げすぎだろ・・・ と思っていると、やがて、US90ドルまで下がった。 おいおい。 それは後日考えるもの都市、銀行のATMを案内してもらうことに。

それはちょっと遠かったが、無事お金を下ろし、帰りはローカルタクシー(一回50ピアス取る。案内してくれた宿のスタッフが変わりに払った)に乗ってショートカットした。このシステムは分かり辛く、現地人でないと使えないなあ、と思った。

そして、宿に戻る。


再度フロントの席に座らせて勧誘を続けようと思ったようだったが、私はもう寝ると伝え、部屋へ。

さて。明日はツアー参加とカナック神殿巡りだ。 さて。どうなることやら。

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