サン・ピエトロ大聖堂のドーム、展望台、法王ミサ、ボルゲーゼ美術館、パンテオン、「ローマの休日」の真実の口

2005-07-24 記載
トピックイタリア

サン・ピエトロ大聖堂のドーム

今朝は、早く起きることができた。

支度をして、駅前で先日と同じようなバール(喫茶店)でカフェラテとクロワッサンを食べる。

そして、ヴァティカン博物館へと向かう。

何やら、先日とは雰囲気が違って、とても静かだ・・・。


道は空いているし、昨日のような混雑も全く無い。

・・・。 

看板を見てみると、ど、どうやら、休みのようだ。(苦笑)

本日は日曜日で、最終日曜日のみ開いているようだが、本日は最終日曜日ではない・・・。仕方が無いのでサン・ピエトロ大聖堂の方へと向かう。

空いている道を歩き、ロンプラを見ながら今日はどうしようか考える。

まずは、先日見なかったサン・ピエトロ大聖堂のドームへと向かうことにしました。

8時から開くので、あと5~10分で開くようだ。

少し待ち、混雑のない状況の中、ドームへと向かった。

ドームへ。

大きな螺旋階段を抜け、天井に出て、ドームの建物の方へと移る。

更に螺旋階段をしばらく上る。


壁などを見ているだけでも飽きない。

そしては、ミケランジェロのドームへと辿り付いた。

下には聖堂の床が見える。

壁にある数々の絵。

絵の数々。


ドームは、近くで見ると、油絵とは違った趣が感じられる。

今いる通路の壁にも同じようなフレスコ画? が見え、近くで見るのと遠くで見るのとでは違った趣をかもし出している。

ミケランジェロのドーム。

サン・ピエトロ大聖堂の展望台

そして、展望台へと、小さな螺旋階段を更に上って行く。

螺旋階段から見えた景色。

そこには、ローマ市内を展望する景色があった。

これは、来る価値があったと思った。

風も涼しい。

下には、サン・ピエトロ広場が見える。


しばらくここでゆっくりとして、風に吹かれながら体を休めた。

そして、しばらく経っただろうか。 次第に人が多くなってきた。

ぼおっと街を眺め、体が満足した頃に、そこを離れた。

小さな小さな螺旋階段を下ってゆく。


屋上に出て、遠くの小型ドームを眺める。

ドーム。

そこにある、ドーム。

サン・ピエトロ広場を向いている石造たち。

螺旋階段を下り、やがては元来た道へ。 

ずっと下り、そしては、サン・ピエトロ大聖堂の中へと抜けることができた。

サン・ピエトロ大聖堂の法王ミサ

なるほど。 ここに繋がっていたのか・・・ と思っていると、何やら人が多いのを感じる。

先ほどの天井絵を、今度は床から眺める。

それにしても、きらびやかな作りだ。

この人ごみ、何だろう・・・ と思ったが、どうやら、法王がミサを行っているようだ。


人々がその周りに集まっている。

私も、その様子をずっと眺めていた。



キリスト教、そして法王は、かつて争いの火種になったことがあるが、この姿を見ると、その根幹は心安らかに人々が生きるようにとの願いであることが理解できる。

厳かな、そして安らかな雰囲気の中、ミサが行われている。

キリスト教のミサに参加したのは初めてであったので、しばし眺めていた。

そして、やがて、周囲の人がお互いに握手をし始めた。

なるほど。 こういうイベント的な考慮も良いものだな・・・ と思う。 そのようなことがあるとは思っていなかったので、周囲の人と握手するタイミングを逃してしまい、少し後悔。

そして、何やら列が出来て、クッキー? のようなものを配り始める。

司祭の人が額の前にかかげて願い? をかけ、それを人々に手渡す。 そして、人々はそれを食べる。 なるほどなあ・・・ と思って眺めていた。

そして、やがてはミサが終わり、法王が目の前まで歩いてきた。

この時、信心深い人であれば「奇跡」或いは「法王のお力」だと思えるような出来事が起こった。近くを通り過ぎる時、カメラのシャッターを切ったが、通り過ぎるまでシャッターが切れなかったのだ。

このことを、もしかしたら信心深い人であれば、「法王は写真に写りたくなかったのだ」とか「法王のお力だ」とか「失礼なことをしないよう神がそうされたのだ」と思ったかもしれない出来事であった。

だが、冷静に考えれば、歩きながら横切る法王さまに対して、カメラのピントをうまく自動調整できなかった、ということであると思われる。

私のカメラの動作モードには、ピントが合わないとシャッターが切れないモードと、ピントが合わなくてもかまわず切るモードがあり、普段は前者にして使っているのだ。 これが原因であると思われるが、それでも、あの瞬間には「法王って凄いのかな?」とちょっと信心深くなってしまった自分がいた。

ミサも終わり、サン・ピエトロ大聖堂の中をを回ってから、外へと出た。

すると、そこにはものすごい人だかりが。


先ほど上ってきたドームの入り口には、長い長い列が出来ている・・・。 やはり、朝一番に行って良かった。

そして、さてどうしようと思い、ポポロ広場を経由してボルゲーゼ美術館へと向かうことにしました。

ボルゲーゼ美術館

時間もあるので、そこまでぶらぶらと歩き、更に、ボルゲーゼ美術館の周囲にあるボルゲーゼ公園なども散歩して行こうと思った。

少々遠い距離ですが、街中を散策する。

ヴァティカンを少し離れ、街中に入ると、観光客の姿がほとんど見えなくなった。

これがローマの街か・・・ と、人気のない住宅街(?)を歩いてゆく。

何とも贅沢な時間だ。 地下鉄で移動してしまえばすぐに着くのだが、そのようなことをせず、のんびりと歩くこの時間。

自転車にも共通しているが、あえて時間をかけて、まるで無駄のようにも思える時間を過ごすこと、それこそが旅の醍醐味であると思える。

そして、やがてはボルゲーゼ公園へと近づいてきた。

その前にピザ屋があったので2つほど買って食べる。

これまた良い感じだ。

そして、公園の中へ。

公園は少し広いが、ゆっくりと散策した。

水飲み場が何箇所かあったので、暑い日差しの中、喉を潤しながら進んだ。

周囲には、レンタルサイクル(電動アシスト付きのものも!)に乗っている人が多く見える。


横並びのタンデム自転車だけではなく、縦並びのタンデム自転車に乗っている人もいた!


そして、長い長い小型電動バス(ドアのない、パラソルのみの簡易イスに乗る)が何度も行き来していた。 普通のエンジン付バスも何度か通り過ぎてゆく・・・。

今回、バスを全く使っていないが、土地鑑ができたらバスも良いかな、と思う。

公園の中にあった立派な像。

そして、ボルゲーゼ美術館へ。

さて入場しましょう・・・ と思ったら、どうやら、時間指定付の予約チケットを購入する必要があるようだ。今は11時半で、次の入場は1時である。

うーん。仕方が無いのでそれを購入。

そして、周囲を散策しようかな・・・ と思ったら、ボルゲーゼ美術館の裏手に丁度良い木陰になっているベンチがあったので、そこでしばしお昼寝をすることに。

いやはや、贅沢な時間だ。

ボルゲーゼ美術館の裏、この広い公園で、のんびりと昼寝をして過ごすこの時間。

すやすやと眠りに着き、体を休めた・・・。

そして、そのような時間がしばらく過ぎ、やがて、1時少し過ぎの時間になった。

体はまだ寝たい感じではあったが、ちょうど日が体に当たるようになってきて、まるで「起きろ」と言っているかのようであった。

体に日が当たるようになり皮膚も暑くなり、そろそろいいかな・・・ と思い、ボルゲーゼ美術館の方に行くことにしました。

ボルゲーゼ美術館は、さすがに予約制だけあって、混雑をしていなかった。

スムーズに鑑賞できる・・・。 値段的に8ユーロ近く払ったので、ちょっと高いかな・・・ と入る前は思っていたのだが、そんなことは、入ってみて全然思わなくなった。



美しい天井絵の数々。 そして、数多くの絵画。

特に印象的だったのが、彫刻の数々。

女神が横たわる像、そして、男神と女神とが触れ合っている像に、特に感銘を受けた。

女神が横たわる像は、そのりりしさ、そしてその視線に女性としての、品の高い姿を垣間見ることができた。

そして、男神と女神が触れ合っている像には、男性としての女性の接し方、そして女性としての品位の保った男性への接し方を垣間見ることが出来た。

どちらも、必ずしも想像上の人物でもない、そして同時に、必ずしも現実上の人物でもない、人間味溢れる表情、そして姿で表されているところに、深い気持ちが沸き起こるのであった。

他に感じたことと言えば、この建物、単に美術品が飾ってあるわけではない。 壁も、天井も、柱も、そしては通路すら、全てが美術品であるのだ。

天井絵。

単なる絵ではない。


ふちも合わせ全てが美術品となっている。

天井絵。

この、建物全てが美術品であるというところから、この入場料は高くないと思える・・・。 それほど、来て良かったと思えるところだった。

パンテオン

そして、ボルゲーゼ美術館を離れ、再度、街中へ。

道を辿り、バルゲリーニ広場を経由してナヴォーナ広場の方へ。 先日、ナヴォーナ広場の近くでクラシックコンサートが夜に行われるとの看板を見たので、そのチケットを探しに行こうと思ったのだ。

だが、特に急いでいる訳でもないので地下鉄は使わず、歩いてそこまで行く事に。

バルゲリーニ広場の近くには雰囲気の良い食堂がたくさんあった。

そして、クラシックコンサートがあった近くまで来た・・・ が、先日と違い、チケットを売り出していない。 今日はやっていないのかな・・・ と思いつつ、近くのピザ屋でピザを食べ、まだ夜には時間があるので更に散歩をする。

そして、ふと、目の前に何やら教会らしきものがあったので何気なく入ってみた。

これもまた・・・。 巨大な教会だ。

教会を見るだけでも歴史を感じることが出来る。


観光するだけではなく、教会にいて静かに時を過ごす事も贅沢な時間だと感じる。

ヴァティカンもそうですが、ローマに来て、教会に対する印象がかなり変わって来た。 教会にほどんど行ったことのない私ですら、かなり好感度が高くなってきている。

そして・・・。 そろそろ宿の方に向かうかな・・・ と思っていた時、ふと、不意を突くように目の前にパンテオンが現れた。

凄いぞなんだこれは・・・ と思ったが、どうやらこれは、古代ローマ時代の最も保存状態が良い建物だそうだ。西暦120年頃の建物だとか。古代ローマ建築の最高傑作とみなされているらしい。

古代ローマって・・・。1900年近くも前にこのような巨大な建物を建築したローマ人、想像を越えて偉大だと思った。

パンテオンの前で行われていた芸人さん。

パンテオンの中は人でいっぱい・・・。

割とシンプルな作りだが、建物はとてもしっかりとしている。

飾られている、数少ない彫刻。

遠くには油絵が見える。

天井は割とシンプルだ。

だが、とてもしっかりとした構造を感じさせる。

そして、パンテオンを出る。

ただ、パンテオンも周囲は、少し古ぼけている・・・。


さすがに、月日を感じさせる。

そして、パンテオンを離れた。

「ローマの休日」の真実の口

パンテオンを見た後、更にもう一つ教会があったので入ってみることに。

これまた落ち着いていて、素晴らしい教会だ。

教会巡りをするだけでもこの町には価値があるかのように思える・・・。

そして、そろそろ夜になる時間になった。

帰り道の途中、そう言えば「真実の口」をまだ見ていなかったな・・・ と思い、そちらの方へと向かうことに。

それは、川沿いに少し歩いた、小さな古い教会の柱廊にあった。

それにしても、行列が出来ているとは・・・。 日本人の姿も何人か見える。

私は、並ぶほどのことであるとは思わなかったので、写真だけ取って中をみることに。


このように、口を入れて記念撮影をするのが皆さんお決まりのコースらしい。

真実の口。

ちゃんと看板がある。(当然か。)


ここは本当に小さな教会で、中を見ても、椅子もとても少ない。更に、売店まである・・・。 しかも修復中。 この売店の人がオペラを口ずさんでいるのを見て、やはりこの土地にはオペラが根付いているのかな・・・ と思う。

そして、パラティーノの丘の周囲を経由して帰ろうと思い、途中の教会にも立ち寄った。

ここもまた、雰囲気の良いところ。

体を休めつつ、教会を楽しんだ。
教会の天井絵

そして、地下鉄に乗り、近くの駅で降りた。

インターネットショップでメールチェックし、ホテルに帰宅。

そして、ホテルのフロントで、今夜なにかコンサートがないか聞くことに。 すると、コロッセオ近くでオペラが行われるらしい。 モーツファルトをベースにしたもの。 値段は23ユーロでお手ごろだ。

フロントの親父さんは、電話して予約までしてくれた。 素晴らしい。 割と近くなので歩いて行くことも可能だ。

そして、いざ、そこに行くことに。

オペラ会場は、なかなか雰囲気の良いところだった。

これがこの日のコース。


24日 - LE NOZZE DI FIGARO by Mozart
とある。

会場の姿。

上を見ると、教会の十字架が。

ここは、雰囲気が良いばかりでなく、指揮者までわずかに5mほど。

上のステージまでも10mあるかないかといった距離で、これを東京で見ようと思ったら1万数千円はしそうな環境である。

演奏者たちも、観客も、とてもアットホームでリラックスしている。



演奏者の中に1人だけ日本人女性がいて、他の演奏者と恋仲であるのが見えた。 イタリアの雰囲気の中で、女性も男性も、態度は大人ですが、雰囲気が”飛んで”いる。 はじけた自由さと大人の具合と。 イタリアってこうなんだなあ・・・ と思いつつ、座っているとどうしても目に入るので気になってしまう。

そして、演奏が始まった。 さすがに音が良い・・・。 先日の夏の音楽祭と違い、スピーカーを使用していないので生演奏がそのまま楽しめる。 音の良さに、さすがはローマであると感激。 この値段でこの近さでこの音のクオリティ・・・。 日本では絶対楽しめないアットホームな演奏と、その中にもプロの冴えが光る。 ホールの響きでこそ先日の教会には適わないが、これもまた、聞きに来て良かったと思った。

そして、1曲の後、オペラが始まった。 私はオペラに詳しくないので、何やら台詞を言っているようだが・・・。 周囲の笑いに付いて行く事は全く不可能。 それでも、音だけで十分に楽しめる。

ストーリーはと言うと、男女の恋愛劇だということはわかる。 ジェスチャーを見る限り、男が言い寄り、女が謙虚さを出し、女性のみの対立で言い合ったり(苦笑)、といったところまではわかる。

でも・・・。 それ以上はさすがにストーリーか言葉がわからないと無理。

音はとても良い。演奏のクオリティはとても高く、聞いていてとても満足。


だが・・・・。 最初の2時間くらいまでは良かったが、それ以上は、時差ぼけが残っていることもあり、かなり辛くなった。 つい、うとうとしてしまう。 結局、最後が終わるまで3時間半のロング公演だった。 最後は、演奏の満足より眠気に耐える方が辛くなってしまった。

先日の夏の音楽祭も、最後までいたとすると3時間くらいの公演であったので、このくらいが普通なのかな??? と思ってしまう。

時差ぼけをさておけば、それにしても、3時間半で23ユーロ、しかも目の前で見れるとは、なんと贅沢なことか。 もっとしっかりと楽しむ為にはイタリア語(?)を勉強するか、或いは、ストーリーを予習してくるしかないか・・・。

でも、演奏のクオリティとアットホームな雰囲気を楽しむことは十分に出来た。 行き当たりばったりで見る分には、これで十分だ。


そして、夜の暗闇の中、ホテルへ。

歩いている途中、力仕事の帰りとも浮浪者とも取れる人から、いきなり「ニーハオ」(中国人と思われたのだろうか・・・。)と大声で話し掛けられ、一瞬、びっくりして状況を伺ってしまった。 暗闇で、周囲には他に助けを求める人もいない状況であったが、襲ってくる様子もなかったので、単にこちらが中国人だと思ってふざけて言ってきただけのようにも思えた。 注意してし過ぎることはない・・・。

そんなこんなで、ホテルへと帰宅。 既に0時45分である。

明日はヴェネチアへと移動だ。 朝はチェックアウトして、駅へと向かうことにする。

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