聖者アントニオに関連がありそうな部屋と、教会の奥に別料金で行ける部屋があったが、そこへは行かず、広々とした部屋に私は座り、落ち着いていた。
どうも、この教会は暗い。 それだけが気になる。 壁画はすすけて黒くなり、それでも良いと思っているのか何なのか、人々は普通に集まってくる。 外観の美しさとは違い、教会の中がこんなに古びているのに人々が集まってくるのが不思議なくらいだ。
と、思っていたら、ふと、黒い服を着た神父と青い服を着たシスターが現れ、何やら聖書の言葉? を言い出した。 周囲に座っている人々が、それに合わせて復唱をしている。
ふと、これはきっとミサが始まるのだな、と思い、ミサの参加は初体験であるので、皆の真似をして参加してみることにした。
それは、約1時間ほどの体験であった。 最初はシスターが祭壇の左側で言った言葉を皆が復唱をし、その後は、神父が中央で言葉を繰り返した。
歌のようなものもあるし、聖書の言葉のようなものもある。 英語ではないので全く理解できなかったが、同じような言葉を何度か繰り返しているところは皆の真似をして口を合わせた。 そして、度々行われる手の仕草。 十字架を描くしぐさと、膝をつける仕草。
それをすることによって、自分がどのような気持ちになるのかな・・・ と思いつつ、参加をしてみた。
途中、先日ヴァチカンで行われていたような、周囲の人々と握手をする場面もあった。 この時は私も2度目であったので周囲の人々と握手をした。 が、期待していたような何か不思議な気持ちになることはなく、普通に握手をしただけであった。 そのような結果になったのは、状況か、或いは何かか。
そしてミサは進み、やがては、先日ヴァチカンで見たような、丸い白い食べ物を神父が配る場面となった。 これは食べてみたいと思い、周囲の人に混ざって私も並ぶことに。
食べてみたところ、何やらお餅を薄く延ばして乾かしたような、そんな味がした。
おなかが減っていたので、こんな薄い1枚でも食べたらおなかに溜まったような気がした。 この食べ物にパワーがあったのか、或いは単におなかが空いていたから食べ物が入って満たされたのか、どちらなのかはわからない。 多分後者かな・・・。前者もあると、とりあえずは思う事にしよう。
そしてはミサもほとんど終わり、歌が流れつつ、皆が帰り出した。
なるほど。 これがミサか・・・。 と思った。 ヴァチカンで見たような、皆が高揚するかのような雰囲気ではなく、生真面目で少し重い感じの、静かな静かなミサであった。 これがこの土地の気質なのかな・・・ と少し思ったりもした。
そして、いよいよ教会を離れ、宿の方へ。
そんな時、ふと、目の前にレストランが現れ、まあいいかなと思って入ってみる。
まずはワインとパスタ系の前菜を頼んだ。 このワインが、これまたおいしい・・・。グラス1杯数百円のワインであるのに、こんなに美味しいとはどうしたものか! 日本で飲む数千円のイタリアワインは酸味があり過ぎたり吐き気がしたりして不味いことこの上なく、いつもチリワインを好む私ではあったが、ここで飲んだ現地のワインと来たら、美味しくて美味しくて、この上ない幸せに浸ってしまうほどだ!
ポテトチップのおつまみとワインを頂いていると、やがてはパスタ系の前菜が送られてくる。 これまた美味しい。 が、パスタやピザは東京で食べるのとそうは変わらないような気がする。 ただ、東京で食べるより、ずっとナチュラルな味付けになっているような気がする。 何と表現したら良いか。 料理が、とても上品な感じなのだ。 パスタはこちらでは前菜とのことなので、それを食べた後、メインディッシュを頼む。 写真ではよくわからなかったが、ハムの上にトマトの少ないミートソース系のソースが乗っているような料理を頼んだ。 これにはパンも付いて来るようだ。 これまたおいしい・・・。 幸せすぎる。
レストランの外で、道の脇に作られたテーブルで行き交う人々を見つつ食べる料理の、なんて贅沢なことよ。
ワインを飲み、料理を楽しみながら、しばし幸せな時を過ごした・・・・。
そして、そこを出て、そのまま宿に帰るのは早いと思い、先ほど通った広場へと行ってみることに。
ここで、芝生の上に横になって、しばしのお昼寝タイムとした・・・。
お酒が入っていたこともあり、かなり気持ち良くお昼寝をする・・・。 イタリアの夜は長いのか、8時になっても9時になってもまだ空が明るい。 結局、9時近くまで2時間ほどの間昼寝を楽しみ、まだ眠りたいという体を動かし、宿へと戻ってきた。
宿に帰ってきて、シャワーを浴びてしばし落ち着く。
さて。 明日はここパドヴァからヴェローナに移動して、そこの古代劇場でオペラを観劇し、次の日はヴェネチアかその近くの町で宿を取り、次の日の帰国に備えたいと思う。
(が、予定は急遽変更としたのであるが、それはまた後ほど。)