どうも、私自身の中で”旅に出ている”という心がけ、そしてその意義がこの旅では軽んじられているようだ。 そのようなことを、この美しい景色の元で、走りながら考えていた。 簡単に飛行機で来れる旅であり、半分”練習”そして”試し”という意味合いを含んでしまったこの旅は、その意義を急速に失いつつある。
そんな私の思いとは裏腹に、この美しい景色はいつもにっこり笑って微笑んでいる。
私は、どうしたいのか。 今回の旅の意義は何なのか。 既に、今回の旅の当初の目的はほとんど達しつつあった。 今回の目的は、第一に”信頼できる自転車かどうか確認すること”であった。 その目的はほとんど達成された。 だが、更に何かある気がする。 それが心の内から出てくるまで、私は走る。
途中、壁から吹き出ていたフンベの滝。 昔来た時、あのとき思った思いと、今の思いとを比べるに、「あまりにも簡単に来れてしまう旅は、それだけ旅情というものも失われてしまう運命にあるのか」ということを感じさせずにはいられなかった。
この日は、広尾の市街を抜けたところにあった、キャンプ場近くでテントを張る。 キャンプ場そのものはあまりにも暗く、正確な場所がすぐにわからなかった為、近くの建物近くに場所を決め、夜を過ごすことにした。