この看板には、以下のようにある。
田沢湖の伝説
うつせみは願をもてば
あはれなりけり
田沢の湖に伝説ひとつ
斎 藤 茂 吉
その昔、前方院内岳の麓、百姓三之丞の一人娘に辰子(たつこ)というそれは美しく気立てのやさしい娘がおりました。里人達は天上の神女が下界に降りてきたものだと言いはやせば辰子もその美貌と若さをいつまでも変わらないでほしいと思い大蔵山観世音菩薩に雨の日も風の日も百日百夜お参りを続けたのでした。満願の百日目に神から「辰子よこの山を北に向い、湧いている清い泉の水を飲むならば願はきっと成就するであろう」とお告げがありました。辰子は翌春泉を求めて山を越え北に向かい、途中小川で岩魚(いわな)をとり焼いて食べたところ急に喉がかわき谷間を降り泉を見つけ水をむさぼるように飲みました。ところが泉に映る我が姿は口がさけ、みるみる龍の姿になったのであります。この時春の日はまたたく間に天地鳴動、紫電閃き渡り山崩れ湖は満々たる湖になったのであります。そして龍に化身した辰子は湖の主となり奥深く沈んでいったと言われます。
田 沢 湖 町