人々が忘れ、
「それ」に誰も気にかけなくなったとしても、
それでも、尚、気づき続けている人がいる。
人は、行く。
誰が気にかけることもなく、進む。
気にかかることなく、進む。
人は、雲のように、歩き、進み、「もの」を見て行く。
人は、来た。
遠くから、来た。
だが、その 「遠く」 とは、距離だけの話だ。
その者にとってみれば、あっと言う間の夢。
まぼろしのごとく、消えては、行き、そしては、去って行く。
人は、楽しみを求めているのだろうか?
その表情からは、何も知るものはない。
人は、その楽しみを、奥深くから湧き出る、
こんこんとした感情、熱、空気、模様、
そういった、「湧き出る」こと自体を楽しみとしていた。
人は、来た。
自らを楽しみに、来た。
そして、自らを楽しんで、そしては、去っていった。
ただ、それだけのこと。
人は、彼・彼女を旅人と呼び、
だが、そんなことは彼にはどうでも良かった。
来て、そしては去っていった。
ただ、それだけのことだった。
旅人は、誰かが忘れたときにやってくる。
そして、誰かが忘れているときに、そっと出発し、
そして、いつしか、 そっと、帰ってきている。
そういうものだ。
旅人とは、そういうものだ。
何も知らない。誰も知らない。
旅人の姿は、まさに雲のようなものだった。
旅人とは、去り行くもの。
そして、来るもの。
旅人とは、去り行くもの。
そして、来るもの。
その続きが、果てなく続き、その全てが 旅人 と呼ばれ、
そして、旅人が旅人に会い、そして、旅人が姿を変える。
旅人とは、来ては去る。
来ては、去る。
そして、姿が変わる。
来ては、去る。
そして、姿が変わる。
平成15年1月27日 22時49分 記 |