ヴァティカンのサン・ピエトロ大聖堂へ
朝、6時に目が覚めた。
隣の人のシャワーの音が聞こえている。 目覚ましのアラームは既に4回目に突入していた。
軽くシャワーを浴び、着替え、出発をする。
さて。 今日はヴァティカンだ。 テルミニ駅(ローマ中心の駅)の近くで朝食を取る。 カフェラテとクロワッサンを食べる。 コーヒー飲まない私なのに、カフェラテがかなり好きになってきた感じだ。 |
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駅前の ”バール” のカウンター姿。 | |
そして、食事をしてから、地下鉄に乗り、ヴァティカン近くへと向かう。 地下鉄は、落書きが凄かった・・・。 停止と発信も急だし、安心運転の日本の電車に慣れた私としては、体を左右に少し揺らされてしまった。 ふと、周囲の目線が気にかかる。 珍しいからか、或いは、隙を狙っているのか・・・。 特に何もなく降りることができた。
そして、ヴァティカンへ。 ロンリープラネットによると、ヴァティカン最寄の駅はヴァティカンの美術館前の駅とのことであったが、そこは本当に美術館の前であり、ヴァティカンのサン・ピエトロ大聖堂はここから少し歩いたところにあった。 どうやら、一つ手前の駅で降りても同じくらい歩くようだった。 |
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それにしても、ヴァティカン美術館の入場待ちの列が凄い・・・。 1時間後には、更に凄い行列を見ることとなる。 |
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美術館入り口の上の像。 | |
まだヴァティカン美術館はやっていないようだったので、美術館入り口を離れ、サン・ピエトロ大聖堂へ。 | |
何やら、大きな柱が見えてきた・・・。 | |
これまた凄い。 | |
柱の向こうに、サン・ピエトロ広場が見える。 | |
柱の手前から見たサン・ピエトロ広場。 サン・ピエトロ大聖堂の前に広がっているのがサン・ピエトロ広場である。 |
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柱の手前から遠くに見えるサン・ピエトロ大聖堂。 | |
この広場がまた・・・。 大きい! この大きさは、一見の価値がある。 | |
どこかで見たと思われようが、ありきたりだと思われようが、実際に見た時のこの感覚を思うと、やはり経験というものは大切だと思い知らされる。
写真では「大きさ」は伝わってこない。 それが、ここに来るとまじまじと理解できる。
広場の中心にあるオベリスク。 これは、カリグラ帝が古代エジプトのヘリオポリスからローマへと持ち帰ったものらしい。 それを聞くと、とても微妙ではあるが・・・。 |
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サン・ピエトロ大聖堂、地下霊廟
サン・ピエトロ大聖堂の上に並ぶ像の数々。 | |
大きな、大きな像が屋根の上に並んでいる。 | |
そして、大聖堂の中へ。 | |
それにしても、まだこの時間だと団体客も多くはないようで、なかなかスムーズに閲覧できる。 まずは地下の霊廟へと向かった。 |
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地下室の中に、このような礼拝堂があった。 霊廟を祭っているのか・・・。 |
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修道女の方々が観光客に混じって礼拝を行っていた。 | |
修道女の方々と一緒に、歩いて行く。 | |
イエス・キリストの肖像画。 | |
そして、外に出た。 | |
一度ぐるりと回り、再度、正面へと向かう。 | |
立派な斜塔。 | |
そして、正面へと回ってきた。 次は、いよいよ聖堂へと入る。 |
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サン・ピエトロ大聖堂
聖堂への入り口の横には、このような面白いピエロのような姿をした守衛さんが。 | |
そして、いよいよ聖堂の中へ。 | |
中は、この時間はまだ空いていた。 | |
サン・ピエトロ大聖堂の中は、これまた壁画が繊細に描かれていて・・・。 写真や本やテレビの方がズームアップしてくっきりと見ることが出来るように思われるが、やはり、実物は、一見の価値がある。 |
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実物を見たときに感じられるこのオーラ。 そして、何より、そこに実際にいる人々の雰囲気を掴むことが出来るのが、実際に来ることのメリットだ。 (聖堂内の写真は明日の分もあります。) |
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ここでは、数多くの修道士・修道女の方々が祈りを捧げている姿を見ることができた。 その姿、その祈りの声、その奥深さは近くにいてこそ強く感じることが出来る。 |
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更に大聖堂の中を巡回する。 | |
光射す聖堂。 |
奥の方には、教えを乞うている人々も見えた。 | |
石像もある。 |
多くの壁画。 そして、教壇。 | |
このようなものを見ると、教会が争いを繰り返してきた歴史とは別に、教会によって築かれてきた文化の良き面も見えてくるかのように感じた。 | |
教会は、正しき清き良き願いをしている、ということの実感を、ここでは感じる事が出来る。 | |
それだけでも、ここに来て正解だった。 教会に対する印象が、かなり変わった・・・。 そして、ヴァチカンを離れた。 |
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サンタンジェロ城
大聖堂を離れ、やがて、元来た道へ。
すると、そこに見えてきたのが、今にも大聖堂にまで到達するかのような、ヴァティカン博物館への長い列だった・・・。
これに並ぶ気にはなれず、ローマには他にも見所はあるだろうとの思いの元、その場を離れた。
しばらくあてもなく歩き、だが、方角的には中心部へと向かって歩いていた。 途中、カフェラテを飲むがこれまたうまい。 癖になりそうだ・・・。 ただ、こちらの人はカプチーノ(と、恐らくカフェラテも)は朝や午前中にしか飲まないのだとか。 だから、夕食後に飲もうとすると聞き返されるらしい。 私はまだ頼んだ事がないが・・・。 雰囲気的に、午後は立ち飲みバーに人があまりいないし、カフェラテを頼む雰囲気ではない気もする。
そして、やがては大きな円形の建物が見えるようになってきた。 | |
これは、サンタンジェロ城。 もともとハドリアヌス帝の霊廟だったが、6世紀に教皇の要塞として使われるようになったらしい。 590年に教皇グレゴリウス1世が、この建物の上で天使が舞い、ローマのペスト流行の終焉を告げるのを見たことから、サンタンジェロ城(”聖なる天使の城”の意)と名づけられたようだ。 |
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サンタンジェロ城の上からヴァチカンを眺める。 | |
サンタンジェロ城の上から川を眺める。 | |
中に展示されている品々。 | |
鎧兜。 | |
盾。 | |
ちょっとした石像。 それほど見るものは多くなかったが、それなりに骨休めが出来た感じだ。 |
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ナヴォーナ広場とマルチェッロ劇場
サンタンジェロ城を出て、橋を渡り、街中へと向かう。 | |
ずうっと、ぐるりぐるりとあてもなく歩き続ける。 | |
途中、ピザを食べたりしながら、ぶらりぶらりと歩いていった。 | |
ナヴォーナ広場(だったかな)を通ってゆく。 | |
高くそびえる教会。 | |
広場の中心にある 四大河の噴水 Fontana dei Quattro Flumi は一風変わった作風で、個性をとても感じた。 | |
広場を離れ、更に歩いてゆくと、市場がふと現れた。 だが、食べ物を売っているところは少ない。あっても果物くらいで、食べ物がメインではない。。 そのあたりがアジアの市場と違うところか。 この近くで売っていたピザをまた食べ、更に散策を続ける。 |
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そして、ふと開けたところに出た。 どうやら目の前に見えるのはコロッセウム? ・・・とは少し違うようだ。場所的にも。 ちょっとした小さな道が続いているのが見えた。 位置的にはマルチェッロ劇場かな? |
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その先では、何かよくわからない人たちが演劇?をしていた・・・。 大道芸で日銭を稼いでいるのだろうか・・・。 |
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高くそびえる柱。 | |
そこを抜けると、先日登ったヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂(ヴィットリアーノ)の裏手に出た。 | |
目の前に見えた階段を登ったところに、どうやらヴェネツィア宮殿博物館があるようだ。 是非、行ってみることに。 |
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ヴェネツィア宮殿博物館
階段を登り、ヴェネチア宮殿博物館へ。 (でも、ここはローマ。) |
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階段を登った先にあった、立派な像。 | |
これまた絶賛だ・・・。 | |
部屋中に美術品が並べられている。 | |
壁も美術品。 | |
天井までもが美術品なのだ。 | |
窓から遠くに見える、屋根の上にまで像が飾ってある。 ローマにはこのようなところが多い。 |
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天井の絵の数々。 | |
美しい彫刻。 | |
美術館の外に飾られている石像。 | |
どれもこれも、繊細な技で作られている・・・。 | |
それにしても、ローマ帝国の偉大さを感じてしまう。 | |
フォロ・ロマーノ
ヴェネツィア宮殿博物館を出た後、その奥にある、フォロ・ロマーノとパラティーノの丘の方面に行ってみることに。 すると、博物館のある高台から眺めの良い景色が広がってきた。 |
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丘の方へと行く前に、目の前に水飲み場があったので水を飲む。 イタリア人は水を買って飲むらしいが、水が切れてしまったのでこの際、そんなことは関係なしである。 他の人も、特に丘から上がってきた人はたくさん水を飲んでいるように見えた。
最初、ローマに来た時にはこの水が飲めるかどうか不安であったが、ずっと出しっぱなしのこの水、全く問題なく飲めるようだ・・・。 節水という言葉とは無縁なのかな・・・? 謎である。
巨大な建造物。 | |
かつては、なんと偉大な建造物がここにあったのかと思い知らされる。 | |
とにかく、巨大だ。 | |
門をくぐり、道を、歩いて行く。 | |
遠くの遠くまで遺跡が続いている。 | |
かつてあった宮殿が心に自然と思い描かれるかのような心持だ。 | |
一面に続く遺跡。 | |
ちょっと小高いところから振り返る。 なかなかに良い景色だ・・・。 |
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遺跡に囲まれつつ、更に歩いて行く。 | |
パラティーノの丘
フォロ・ロマーノを歩いていると、ふと、料金を出して入るところが見えてきた。 どうやら10ユーロのようだ。よく分からないまま、皆が入っているからとりあえず入るかと思い、入ってみることに。
ちょっとした階段を登り、パラティーノの丘に出た。 パラティーノの丘からフォロ・ロマーノを振り返る。 |
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なかなかに良い景色だ・・・。 | |
だが、入り口から少し離れると遺跡が見えなくなり、広いところに出た。 ただの草むら? |
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草むらというか草原というか。 料金がちょっと高いなあ? と、この時点では思っていた。 |
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だが、途中で「コロッセウム」とも書いてあることに気づき、コロッセウムも合わせて10ユーロであれば妥当だと思ったのであるが。
気づかなかったら、どこかの旅行記で読んだような、「高いばかりで得るものがない、ただの草むら」と同じ感想を持っていたかもしれない。 危ない危ない・・・。
この丘は、かつて伝説のローマ創建の地であったようだ。共和政時代にはローマの裕福層が。その次は皇帝たちがここに住んだとか。
パラティーノの丘の奥にある、皇帝たちが私的に楽しんだという闘技場。 こんなに大きな競技場を私的に利用していたとは・・・。 恐るべし。 |
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闘技場の横にある、控え室のようにも見える建物の残骸。 | |
闘技場の横の方にある、何やら変わった通路というか控え室というか。 | |
それにしても広い。 | |
そして、パラティーノの丘を離れ、コロッセウム方向へ。 | |
コロッセウム
コロッセウムへと、歩いて行く。 | |
次第に、コロッセウムが近づいて来た。 | |
すさまじい大きさ。 いくら映像で何度も見ていようと、実物を見たこの感動は、何ものにも変え難いものがある・・・。 |
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ただ、シンプルに「大きい」ということの衝撃。 | |
・・・と、ここで、デジカメのメモリが一杯になってきたことと、どうせ夜にオペラコンサートでここに来る(注:勘違いだった)のでもう一度来れば良いと思い、一旦、ホテルに帰ることに。
コロッセウム前から電車に乗り、ホテルに戻り、デジカメ画像を退避させた・・・。 それにしても、さすがはローマ。まさかメモリが一杯になるとは。見所が満載だ。
そして、支度を済ませ、再度コロッセウムへ。
まだまだ、コロッセウムの周りは人だかりができていた。 | |
そして、中へと入る。 | |
何やらものものしい雰囲気・・・。 中を見ると、今は使えない、廃墟と化したコロッセウムがそこに広がっていた・・・。 |
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地下にも通路や仕掛けがあったように見受けられる。 でも、今夜はここでコンサート??? 無理そうだけれども・・・。 (注:実際、場所が違った。) |
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広い、ひろいコロッセウム。 | |
この石が、死んだ人の血をどれだけ吸ったのか。 | |
ぐるりぐるりと、コロッセウムを周回する。 | |
ぐるり、ぐるりと。 | |
石の柱も、まだ崩れていないだけあってとても丈夫に出来ているようだ。 それにしても、何やら先ほどから気分が悪い。 あまり長居をせずに、コロッセウムを後にすることにしました。 |
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外に出ると、闘剣士の姿をした人が一芸を繰り広げているのが見えた。 剣術ではなく、パフォーマンスだけど。 |
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そして、コロッセウムを離れる。 有名なだけあって、さすがと思えた場所だった。 でも、思いのほか、気分が滅入った。さすがに、たくさんの人々が殺された場所だからか・・・。 |
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この時点まで、てっきり、ここでオペラコンサートを行うと思い込んでいたので、帰りの際、係の人に聞いてみた。 すると、ここではなく、カラカラ浴場の方で行うのだとか。
となると、ここでコロッセウムを見ておいて良かった、ということになる。 ふう。 助かった。
そして、歩いてホテルまで戻る。 多少は遠いけど、途中にインターネットショップもあるし、立ち寄って、ネットを見て、それからホテルまで帰った。 歩く途中で食べたピザも、これまたおいしかった。
そして、いつしか20時になったのでオペラの会場へ。
電車に乗ろうとすると・・・。 自動販売機が壊れている。 2ユーロが帰ってこない。(苦笑) 係の人を呼ぼうとしたが、誰もいない。(苦笑)
ここでふと思い出した。 他の人の旅行記で、無銭乗車を何度もしたレポートである。 ふと後ろを見ると、他の人も切符をそもそも買おうともせず乗り込んでいる・・・。 どういうこと? もう既に電車を2本も逃してしまった(数分で1本来る)ので、もういいやと思い、無銭乗車することに。 でも、駅員さんに言われても反論は出来る立場なので堂々と(?)乗る。 既に自販機に2ユーロも取られているのだから・・・。
そんなこんなで駅に着き、降りる。 降りるときは何もチェックが無いので、そのまま降りる。 とりあえず問題なしだ。
そして、オペラの会場へ。
少し歩いたが、入り口の門を入ると、やがて、大きな大きな会場が見えてきた。 | |
大きくて立派だ! と思いきや、日本人がとても多い・・・。 ふと、ここで思い出す。 私がネットで観劇を調べた時、夏の音楽祭がどうのこうのということであったなあ・・・ と。 これはまさに夏の音楽祭だから、これのことだったのか! と。 |
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それにしても、日本人がピーチクパーチクうるさいのなんのって・・・。(汗) まあ、人それぞれだからいいのだけれども。
ただ、日本人に限らないが、現地人なのか観光客なのか、演奏中に静かにしてくれ!(汗) 私の席はあまり高くないチケットですが、それ故なのか、周囲で小声で喋る人が、左後ろと右後ろにそれぞれいる・・・。(汗) たまに物を倒す音が聞こえてくるし、くしゃみは聞こえてくるし・・・。 もう・・・。 雑音はやめてくれ!(苦笑)
この会場では大きなスピーカーで音を流していたが、先日聞いた生のオペラを聞いた後では、どうも色あせる・・・。 生の声も混ざって聞こえてはくるけれども、この位置では、スピーカーの音が大きく聞こえてくる。
うーん。 微妙だ・・・。
そんなことを思いつつも、1時間もすると、眠気が襲ってきた。 うー。 日本時間では既に午前5時を過ぎている頃だ。 さすがにきつい・・・。 今日も動き回っていたし・・・。 少し、こっくりこっくりとしてしまう。 微妙に見逃してしまっている私・・・。
演出は凝っていて、双眼鏡を持っていったことも無駄ではなかった。
だが、いかんせん、眠気が・・・。(汗)
もう限界に達したので、2時間経ったところの休憩で脱出をした。
どうやら、まだ1時間半ほど続くらしい。 それはさすがに待てない・・・。 地下鉄がやっているかどうかも調べていないし。 それから歩くのは辛すぎる。 タクシーは高いし。
ストーリーがわかればまだいる意味もあったが、見た目と音の響きを楽しんでいただけだったので、ここで打ち切っても問題がないと判断した。
そして、すたすたと歩き、地下鉄へ。
ローマ中心のテルミニ駅で降りてホテルまで歩き、ようやくゆっくりすることが出来た・・・。ふう。
今夜もぐっすり寝て、明日に備えるぞ!