パドヴァ、スクロヴェーニ礼拝堂、サン・ジョルジョ祈祷堂、サント聖堂

2005-07-26 記載
トピックイタリア

パドヴァ散策

今朝は、朝食をここで取るためにいつもより少し遅く、7時半頃に取った。

今日は自転車を借りて、この街を散策する。

特に何か予定があるわけでもなかったが、美術館と大きな教会2つは行こうと思っていた。

旧市街を走り、街中の土地鑑を付けようとする。

少し町外れまで走ってしまい、ぐるりぐるりとしてしまったりもしたが、それもまた、町外れの雰囲気を感じられて良いと思えた。

マーケットにて。

古びた通路もそのまま人々が使い続けている。

再度、マーケットへ。

ぐるり、ぐるりと。

特に何かを買うわけでもなかったが、この町のマーケットの雰囲気を感じる。

さすがにアジア圏と違って気軽に買うわけにはいかないが。

サント聖堂。

先日も通りかかったが、ここは別名サンタントニオ聖堂で、聖アントニオの遺骸が安置されている。


ここは宿から近かったこともあり、又、土地勘を先に付けたかったため、とりあえず中へは入らずに更に散策を続ける。

郊外へと出てしまったり、少し道に迷ったりしながら散策を続ける。

川を渡る。

シスターが教会から出てきたのが見える。

川沿いの道を進んで行く。


そんな時、自転車で旅をする感覚を思い出す。


ああ、自転車で旅をしていたなら、このような感覚だったのかな、と。

そして、ふと、自転車で来なかった事に対して少し後悔もする。 だが、かつて日本を電車で旅をした時に感じたものとは違い、深く深く後悔するというほどでもない。 べつに、これはこれで良いという感じだ。

スクロヴェーニ礼拝堂

ぐるりと回り、そしては、駅の前へと辿り着く。

そして、ずっとピザばかり食べていたので、駅の前にマックがあったので、ふと食べてみる。 先日の夜も少しだけ食べたが、やはり、落ち着くものだ・・・。

グローバリズムが悪い悪いと言われているが、このように遠い土地に来ている時、身近なものと同じ物が食べられるというのは落ち着くもので、助かるものだと思う。

しかも、東京で食べるハンバーガーは気持ち悪くて食べたら吐きそうになってしまうが、ここで食べるハンバーガーはおいしく食べることが出来る。 これなら悪くないな・・・ と思った。

そして、落ち着いた後、再度、街の中に出かける。

少し走ったところにある教会にまず入り、座ってしばしの時を過ごす。

それにしても、どこの教会も立派なものだなあ・・・・。 と思う。

壁画はローマほどではないが、それでも、立派な壁画がいくつか描かれている。


そして、体が満足した頃、更に散策を始める。

再度走り出す。

木々の間から、川が見える。

旧市街をぐるぐるぐるぐると・・・。 それにしても、街の作りが分かり辛い町だ。 現在位置が掴み辛い。 一周、二周と同じようなところをぐるぐると回る。

そして、再度、違う教会に辿り付いたので入ってみる。

エレミターニ教会。

ここは、たしか第二次世界大戦の爆撃で酷く損傷したエレミターニ教会だった筈。今日は自転車で散策の為、ロンプラを部屋に置いてきたので記憶の範囲でしかわからないが。

内装は酷くすすけているが、それでも、古い壁画だということはわかる。
入り口の横に、損傷した壁画の説明などが描かれていた。

そして、エレミターニ教会を出て、再度散策へ。

公園を抜けてゆく。

ぐるりぐるりと回った後、先ほど入った教会のすぐ近くにスクロヴェーニ礼拝堂と市立博物館があることに気が付いた。

市立博物館入り口。


スクロヴェーニ礼拝堂と市立博物館はセット入場が基本のようだ。

さて。 どんなものかな・・・ と思って入ろうとすると、どうやら12ユーロ。ちょっと高めかな。

でも、この街にはあまり見るところもないので、ここくらいはと思い、入ってみることに。

市立博物館の建物。


スクロヴェーニ礼拝堂に入る前に見るビデオは上映時間が決まっているようで、それまでしばし待つことに。

市立博物館周囲に広がっているアレーナ庭園にてぶらりぶらりと。

のんびり。

スクロヴェーニ礼拝堂と市立博物館のチラシ。

時間が来て、まず最初、スクロヴェーニ礼拝堂の説明、そして礼拝堂内部に描かれたフレスコ画の説明へと入った。 このあたりで壁画を描いていたジョットという人物にまつわる物語のようだ。ここの教会の壁画が、ミケランジェロやその他の有名な芸術家と比べてどのようなものか説明がなされている。

そして、映像が終わり、礼拝堂の中へ。

少しものものしい壁画だ・・・。 何やら、「重々しさ」を感じる。 「深刻さ」というか「真面目さ」というか、この土地の人々の性質だろうか??? そのようなものである気がしないでもない。

壁画は修復が行われているようだが、全てが終わってはおらず、きちんと描かれている個所とそうでない個所があった。

そして、映像と礼拝堂を出て、市立博物館へ。 まず、ビジュアルルームに案内された。 そこでは、先ほど見たジョットにまつわる映像が、その生涯という観点から描かれていた。 その部屋では、その他にもマルチメディア端末などが置いてあった。

その後、博物館の内部へ。

さすがはローマの都市だけあって、エジプトやシルクロード系とも思われる様々な美術品が置いてある。

そのどれも、とても凝っている。

絵画もたくさんあった。 その大きさも格別だが、特に思うのが、「背景が黒い」絵が多いという点だ。 これはこの地方の気質を示しているのか??? 或いは、単なる流行廃りか・・・。 単なる流行廃りにしても、その背景には気質が関係しているだろうし、この、背景の黒い重々しい絵が多く多くあるのは一体何だろう・・・。 などということを思いながら美術品を鑑賞した。

そして、しばらく後、市立博物館を離れ、再度街中へ。

サン・ジョルジョ祈祷堂

散策。

それにしても、落ち着いた町だ。

しばらく走り、サント広場に出た。 この広場は、ローマの時代に人々が話し合いをした広場だと言い、由緒ある広場らしい。

今は、人々が散歩をしたり寝そべったりして休息を楽しむ広場となっていた。

ごろりと。

噴水。

遠く、サント広場の南側にはサン・ジョルジョ祈祷堂が見える。


少し休もうとも思ったがまだ元気であったので、サント広場を通り抜け、この大きな教会へ。

この教会も又、立派なものだ。

何か、この教会には親しみを感じる

入り口から、中へ、足取りは自然と進んで行く。

まるで、遠い遠い記憶でかつてここに来た事があるような、そんな気持ちさえ少しだけした。

ローマと比べると質素ですが、それでもかなり立派な教会。

柱も立派。

席でしばしの時を過ごし、しばらくうとうとと昼寝をした後、ふと奥の方へと続く道があることに気付き、そちらに行ってみることに。

壁にかけられている立派な壁画が通路から見えた。

中に入ってみると、そこは、何かの霊廟のようだった。 聖者の墓があり、それを守る人たちがいる。

ふとここで、牧師に話し掛けられた。 言葉がわからなかったので何を言っているのかは分からなかったが、私自身ここに親しみを感じていたので、向こうから話し掛けられたことはその親しみを増す結果となった。

私はもちろんここに来る事が初めてではあるが、何かの繋がりがあるのかもしれない、という勝手な想像もしてしまいそうだ。

それを証明するかのように、ここに入った後は、私の中にあった「何者かが自分自身の体を勝手に動かす感覚」はまったくといってよいほど消えうせ、自然体となっていた。

パドヴァのサント聖堂

そして、教会を離れ、この広場の近くにあるもう一つの教会サント聖堂へと向かう。 こちらは、聖者アントニオが祭られている教会で、かつては難病を治すための人々が詰め掛けていたらしい。

そして、今はほとんど置いていないが、難病が治った人々の杖やら何やらがかつては多く飾られていたのだとか。

それにしても、立派だ。

この町で最大級の建造物。

騎士の像もある。

ただ、周囲は少し寂れているようにも思える。

教会の周囲。

そして、中へ。

聖者アントニオに関連がありそうな部屋と、教会の奥に別料金で行ける部屋があったが、そこへは行かず、広々とした部屋に私は座り、落ち着いていた。

どうも、この教会は暗い。 それだけが気になる。 壁画はすすけて黒くなり、それでも良いと思っているのか何なのか、人々は普通に集まってくる。 外観の美しさとは違い、教会の中がこんなに古びているのに人々が集まってくるのが不思議なくらいだ。


と、思っていたら、ふと、黒い服を着た神父と青い服を着たシスターが現れ、何やら聖書の言葉? を言い出した。 周囲に座っている人々が、それに合わせて復唱をしている。

ふと、これはきっとミサが始まるのだな、と思い、ミサの参加は初体験であるので、皆の真似をして参加してみることにしました。

それは、約1時間ほどの体験であった。 最初はシスターが祭壇の左側で言った言葉を皆が復唱をし、その後は、神父が中央で言葉を繰り返した。

歌のようなものもあるし、聖書の言葉のようなものもある。 英語ではないので全く理解できなかったが、同じような言葉を何度か繰り返しているところは皆の真似をして口を合わせた。 そして、度々行われる手の仕草。 十字架を描くしぐさと、膝をつける仕草。

それをすることによって、自分がどのような気持ちになるのかな・・・ と思いつつ、参加をしてみた。

途中、先日ヴァチカンで行われていたような、周囲の人々と握手をする場面もあった。 この時は私も2度目であったので周囲の人々と握手をした。 が、期待していたような何か不思議な気持ちになることはなく、普通に握手をしただけであった。 そのような結果になったのは、状況か、或いは何かか。

そしてミサは進み、やがては、先日ヴァチカンで見たような、丸い白い食べ物を神父が配る場面となった。 これは食べてみたいと思い、周囲の人に混ざって私も並ぶことに。

食べてみたところ、何やらお餅を薄く延ばして乾かしたような、そんな味がした。

おなかが減っていたので、こんな薄い1枚でも食べたらおなかに溜まったような気がした。 この食べ物にパワーがあったのか、或いは単におなかが空いていたから食べ物が入って満たされたのか、どちらなのかはわからない。 多分後者かな・・・。前者もあると、とりあえずは思う事にしよう。

そしてはミサもほとんど終わり、歌が流れつつ、皆が帰り出した。

なるほど。 これがミサか・・・。 と思った。 ヴァチカンで見たような、皆が高揚するかのような雰囲気ではなく、生真面目で少し重い感じの、静かな静かなミサであった。 これがこの土地の気質なのかな・・・ と少し思ったりもした。

皆が帰り出し、それに合わせて私も歩き出し、ふと、教会の横にある聖人アントニオの博物館の方へと行ってみることにしました。


聖堂の内部に、このような庭がついていた。

庭の横の通路を通り、博物館の方へ。


でも、18時で閉まるようで、入ることが出来なかった・・・。 残念。

サント聖堂は、外から見ても中から見ても立派。

それにしても、この土地で感じた「真面目で集中的」な感じは独特だった。

ローマとは又違った趣で、イタリアの多面性を垣間見たようにも思えた。

そして、いよいよ教会を離れ、宿の方へ。

そんな時、ふと、目の前にレストランが現れ、まあいいかなと思って入ってみる。

まずはワインとパスタ系の前菜を頼んだ。 このワインが、これまたおいしい・・・。グラス1杯数百円のワインであるのに、こんなに美味しいとはどうしたものか! 日本で飲む数千円のイタリアワインは酸味があり過ぎたり吐き気がしたりして不味いことこの上なく、いつもチリワインを好む私ではあったが、ここで飲んだ現地のワインと来たら、美味しくて美味しくて、この上ない幸せに浸ってしまうほどだ!

ポテトチップのおつまみとワインを頂いていると、やがてはパスタ系の前菜が送られてくる。 これまた美味しい。 が、パスタやピザは東京で食べるのとそうは変わらないような気がする。 ただ、東京で食べるより、ずっとナチュラルな味付けになっているような気がする。 何と表現したら良いか。 料理が、とても上品な感じなのだ。 パスタはこちらでは前菜とのことなので、それを食べた後、メインディッシュを頼む。 写真ではよくわからなかったが、ハムの上にトマトの少ないミートソース系のソースが乗っているような料理を頼んだ。 これにはパンも付いて来るようだ。 これまたおいしい・・・。 幸せすぎる。

レストランの外で、道の脇に作られたテーブルで行き交う人々を見つつ食べる料理の、なんて贅沢なことよ。

ワインを飲み、料理を楽しみながら、しばし幸せな時を過ごした・・・・。


そして、そこを出て、そのまま宿に帰るのは早いと思い、先ほど通った広場へと行ってみることに。

ここで、芝生の上に横になって、しばしのお昼寝タイムとした・・・。


お酒が入っていたこともあり、かなり気持ち良くお昼寝をする・・・。 イタリアの夜は長いのか、8時になっても9時になってもまだ空が明るい。 結局、9時近くまで2時間ほどの間昼寝を楽しみ、まだ眠りたいという体を動かし、宿へと戻ってきた。

宿に帰ってきて、シャワーを浴びてしばし落ち着く。

さて。 明日はここパドヴァからヴェローナに移動して、そこの古代劇場でオペラを観劇し、次の日はヴェネチアかその近くの町で宿を取り、次の日の帰国に備えたいと思う。

(が、予定は急遽変更としたのですが、それはまた後ほど。)

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