ポサリカ(Poza Rica)からエルタヒン(El Tajin)へ
今日はエルタヒン(El Tajin)観光の日だ。 期待してもいいだろうか。これだけのために先日はビジャエルモッサ(Villahermosa)、ベラクルス(Veracruz)、ポサリカ(Poza Rica)とはるばる移動してきたのだから。
エルタヒンは9時から開くようなのであまり早く起きてもしょうがないと思い、7時ごろまでうとうとし、先日買ったパンをかじった後にチェックアウト。フロントの人に聞いたバス停に向かった。
朝、町中を歩いてみると先日の夜に感じたような危険な感じは全くない。 やはり町には明るい時間に着くべきだとつくづく思った。 実際、夕べと今朝、違うフロントの人にそれぞれ聞いたのだが、夕べのフロントの人が言うには2ブロック先を右に曲がったところ。今朝の人は2ブロック先のすぐ先にバス停があるようなことを教えてくれた。 右に少し進むかどうかのニュアンスは違うが、方向的には合っているようだ。 | |
とりあえず2ブロック先に行くと、何やらバス停のようなものが見えた。これか? 今朝の人は地図も書いてくれたので、ここがそこであるように思える。 夕べのおじさんが言っていたことは何だろう? と思い、右に曲がるとバス停はあるのか??? と見渡したがそれらしきものがない。 | |
ガイドブックにはパパントラ行きに乗ればいいとだけ書いてあるのでそれを探す。パパントラ行きとは書いてなかったが、停車してきた何台かのバスにとりあえず聞いてみると、最初の人は"あっちのバスだ"と指さし、もう1台のバスに聞いてみると、"ここではない。そっちに進んでから大きく左に曲がれ"と教えてくれた。 うーむ。 まあ、とりあえずそっち行ってみるか・・・ と思い、歩いてみる。 | |
夕べのフロントの人も、再度左に曲がるようなことは言っていなかったが・・・。しかも、場所的に今朝の地図とは全く違う。 目の前を見ると、何やらリュックをしょった家族連れがいたので、きっとバス停に向かっているのだろうという希望的推測をして後をついて行く。 | |
すると、少し進んだ先に、何やら2等らしきバスステーションが現れた。 ここか。 チケットを買おう・・・ と思ったが、チケット売場がない。(苦笑) | |
ぐるりぐるりするが、どこに乗ればいいのかわからない。 | |
そして元のところに戻ってみると、先ほど入ってきたパパントラ行きが乗車受付を行っていた。 早速中に入ってエルタヒンに行くかどうか聞いてみると、行くという。料金は10ペソだ。 ふう。 ようやく乗れた。 あのおばさんと子供は何だったのだ・・・。
やがて、バスは出発する。 そして走り出すが、走ったすぐ後に、先ほど子供に案内された、通路向こうのバス停らしきところにも停車した。 どうやらあの子供はここのことを言っていたようだ。 もしかして、ここのターミナルから出発するもの以外にも、違う方面からこのバス停を通るものがあるのかもしれない。 が、まあ、もう乗れたのだから良いやと思い、ほっとする。 | |
あとは、ローカルバスだから強盗が乗ってこないことを祈るだけだ。 そしてやがてバスは30分弱走り、エルタヒンに到着した。 ふう。 宿を8時に出て、ここに着いたのが9時半。 近い割には随分と時間がかかった・・・。
エルタヒン(El Tajin)
入場手続きをしようとしたところ、どうやら今日は日曜日なので無料で入れるらしい。なるほど。 荷物を預かってもらい、中を見学する。 | |
入り口から通路を抜けると、遺跡が見えてきた。 | |
ここエルタヒンは球技場が10以上もあるため「古代球技の発祥地」とも言われているようだ。 | |
まず、アローヨ広場に行く。 思いのほか高さがない。 世界遺産の番組で見たときはもっと巨大なものだとばかり思っていましたが・・・。 やはり、形はテレビでわかっても、"大きさ" は実際に見てみないとはっきりわからない。 | |
アローヨ広場の次は、壁龕(へきがん)のピラミッドへと行く。 6~7世紀頃の建造物で、元々赤と青の色だったという。そして窓が365個あり、カレンダーとなっていたらしい。 | |
ここで、ガイドブックもぱらぱらとめくってみる。 どうやらこの地方の雨期はとても激しい雨が降るようで、その雷や稲妻を示すものとして"タヒン(Tajin)"と呼ばれているようだ。"エル"はスペイン語の定冠詞なので本当の名前は"タヒン(Tajin)"ということになる。
私は今まで、今日の天気が曇りであることを運が悪かったと思っていましたが、そうではなく、実はこのずんぐりむっくりした天候こそがこの地方の特色であり、それが信仰の元となっていたことがわかった。 となれば、そういうものとして、この遺跡を、ずんぐりむっくりした天候の中で何かを求めた人々との対比で見ることにより、少し想像力を働かせることができた。 そういう想像もなかなか楽しいものだ。 今日の天気は、これはこれでOKとも言える。
そして、十分に休んだ後少しずつ戻り始める。
しかし、ふとガイドブックを見ると、どうやら南の球技場の周辺はまだ見ていないようなので戻りつつそちらにも行ってみる。
南の球技場のところに行ってみると、その壁にはレリーフが施されていた。 なかなか立派。
(後で写真を見ると、どれがどれだか記憶があいまいなので以下は写真のみ・・・)
そして壁龕(へきがん)のピラミッドの裏側へと回り込む。 こちらから壁龕(へきがん)のピラミッドを見ると階段がなくて全面に渦巻き模様の箱が見える。 こういった遺跡はメキシコの中でも珍しいらしい。 |
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そして元の道を戻り、帰途につく。 | |
出口に近づくと、今まで以上の人だかりが わっ とこちらに来るのが見えた。 団体さんだろうか・・・。 しかもメキシコ人らしき人がほとんどである。 | |
入り口付近にある小さな博物館を覗き込む。 ミニチュアがある。 |
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エルタヒン(El Tajin)のボラドーレス(Voladores)
そして出口を出て、さてバスに乗ろうと思ったところ、ふと目の前の広場に人だかりができているのが見えた。 これは・・・ と思い段差になっているところに座ってみると、数分もしないうちに前から衣装を着た人が出てきた。 どうやら何かするようだ。 |
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広場の中心にはポールが立っていて、上には何やら回るようなものが見える。 ガイドブックによると、トトナカ人によるボラドーレス(Voladores、空飛ぶ人)の宗教儀式をショーにしたようなものらしい。 |
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下でぐるぐると回転しながら笛を吹き、そしてはやがて階段を上り始める。 さすがに支柱は鉄でできているが、昔は木でやっていたというのだからその危険度は並大抵のものではない。
上まで上り、4人が頭を下にしてぶら下がり、上に一人いて笛を吹いている。
そしてはやがて、頭を下にして下り始めた。
ぐるぐると回転しながら下に降りて来る。
下がってくるときは割とあっさりしたもので、するするっと下がってくるのだが、そう見えたとしても長年の鍛錬あってのものなのだろう。
最初に支柱に縄を巻き付け、それを逆に回転させながら少しずつ延ばしてゆく、という手順のようだ。 それにしてもこれは30m以上高さがあるようで、私ならば登っただけでふらふらになってしまいそうだ。
参加費として10ペソほど取られたが、これが見られたのならば十分である。
そしてやがては4人が地上に舞い降りる。 見事なものだ。
そして、ショーは終わりになる。 この最後のクライマックスに何かひとつパフォーマンスを付け加えれば良い終わり方なのに・・・ と思ったが、まあ、それはそれとして。 そして、来るとき降りた場所の周辺に向かう。 |
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さてどうしようか・・・ と思って、ふとタクシーに値段を聞いてみた。 ポサリカのADOバスターミナルまでの値段だ。 どうせバスで移動しても2等のバスステーションからADOバスターミナルまで数十ペソかけて移動しなくてはならないし、そろそろ旅の疲れが出てきてとっとと移動してしまいたい気分であったのだ。
すると、140ペソだという。英語は通じないので会話本や札を実際に見せつつコミュニケーションする。会話本の"もっと安くして"を見せると120ペソになったので、それでOKとする。 そもそも140ペソだとしてもリーズナブルかなと思ったが、とりあえず言ってみたら安くなった。まあ、たまにはこういう値切りもしてみないとね。
ポサリカまで30分ほど走るし、2等バスターミナルからADOバスターミナルまでも10分はかかるであろうから、まあ、妥当と言えば妥当である。 バスならば2等バスターミナルまで10ペソですが、来た時みたいにいつ来るかわからないし、今日中にメキシコシティに移動してしまいたかったということもあるので。
そしてポサリカまでタクシーは走る。 飛ばして行くが、それでもやはりそれなりにかかる。 |
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ADOの出る1等ターミナルにようやく着き、切符を買いに行く。
すると、メキシコシティ行きは2時間以上後の14時45分発しか空いていないという。仕方がないのでそれを買うが、ADOの"GL"で約230ペソであり、とても安い。全て1等であるがその中にもグレードがあり、普通のADOがノーマルのエコノミーだとすると、GLはゆったり席のエコノミーで、先日乗ったUNOはビジネスクラス或いはファーストクラスといったところか。
今までずっとADOに乗ってきて、先日UNOに乗り、今日はADO GLに乗ることにより、ほとんど全てのクラスを制覇することができた。 なかなかラッキーだ。
そして時間が来るまで、駅にあるレストランで食事をする。 しかし、頼んだエンチラーダス(Enchiladas)という食事がことのほかまずい・・・。 私はトルティーヤも好きではないからタコスなどトルティーヤ使った料理は全滅だし、他の家庭料理もあまり好きではない。 ただ、メキシコで食べる肉料理はとても好きだ。(苦笑) 明日からはステーキばかり食べようかな・・・ と思うようになる。 | |
そして席で座って本を読んでいるとレストランのスタッフのおねえさん(?)が話しかけてきた。向こうは英語があまり話せなくて、それでも何か言ってくる。 何やら、自分の名前と友人のを紙に書いて、その名前は日本語でなんと書くのか教えてくれ、ということのようだ。 それを教えてどうするのだろう・・・。 不思議な質問だった。 まあ、そのくらいはいいかと思い、ひらがなで発音の通り書いてあげた。 | |
途中、何やら車がハザードランプを付けていることに気が付いた。 何だろう・・・ と思ったが、ここは山道であるし、気を付けなくてはいけないことがあるのかな・・・ と思っていると、途中で鉄骨を運んでいる超低速のトラクターを追い抜いた後は速度が速くなった。 これが原因だったのかな・・・ と思っていると、再度遅くなった。 再度ハザードが付いているのにも気付く。
何だろう・・・ と思っていると、ふと、道の端で燃えている車を追い抜いた。 追い抜く瞬間、バスの中にまで熱さが伝わってくるほどの激しい燃えだ。 これが原因だったのか。
そしてやがては車両のスピードも上がり、バスはメキシコシティを目指す。 しかし、ビデオが全部終わってしまった後もバスは走り続け、結局10時近くなって到着した。5時間の予定が7時間である。 まあ、このくらいは誤差か・・・。
メキシコ・シティの北ターミナル到着
北ターミナルに着いてみると、その大きさにはびっくりした。国際線となるバスも書いてある。ここからアメリカまでバスで移動するのか・・・? スケールが違うな・・・。 その距離だと飛行機を使うものとばかり思っていましたが、確かに、値段と時間のトレードオフなのでバスという手もありかもしれないな。
ターミナル内はさほど危険と感じなかったが、外はあまり出たくない雰囲気である。 でも、ポサリカほどではないかもしれない。 やばいにはやばいので出たくないところであるが。
そして、もう遅いしメトロ移動もしたくないので、ガイドブックに載っている、"北方面バスターミナルから5分"とあったホテル・ブラシリア(Brasilia)に行ってみる。 行ってみると、そのフロントを見る限り、 400ペソというその値段以上に設備は良いように感じられる。チェックインし、部屋を見てみるが、やはり設備もよかった。 |
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これはかなり気に入った。 さすがにソカロやチャプルテペック公園方面を観光するには遠くて不便ですが、北方面ということであれば今後もこのホテルを利用したいくらい気に入った。 そのくらい落ち着ける。 難点を言えば、エアコンの設定が少し寒いくらいか。 | |
フロントの階に行き、閉まる前にレストランにも行ってみる。 ここで食べたステーキもこれまたおいしい・・・。 また食べたくなってしまう。 これを食べるがためにここにもう1泊しようかという考えすら頭によぎってしまった。 どうせ明日はテオティワカンに行って北ターミナルに戻ってくるのであるし。 |
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そして食事も終え、部屋に戻る。 それにしてもだるい。高地だからか、風邪の引き始めなのか、それとも疲れが出たのか、のども少し痛いし、頭も少しぼおっとする。 思考力が働かない。 早く寝たい気分だ。
シャワーを浴び、身支度をしてから布団に入る。
さて、明日はテオティワカンだが、唯一心配なのが天気だ。今日みたいに曇っていなければいいのだが・・・。